近年、搭載される車が増えてきた機能にアイドリングストップがあります。今回は、アイドリングストップが、どのような機能で、どんなメリットがあるのかについて解説します。
またメリットのみに思えるアイドリングストップにも、意外な欠点もあるようです。メリット・デメリットについて解説しながら、アイドリングストップを活用できるシーンや上手な使い方を紹介します。
この記事のポイント
- アイドリングストップは、停車時に自動でエンジンを停止させる機能
- メリットは、燃費の向上や排出ガスの削減などがある
- デメリットは、バッテリーの消耗が早いやエアコンの停止などがある
目次
車のアイドリングストップとは何?
車のアイドリングストップとは、信号待ちなどで停車した際に、自動でエンジンを停止させる機能です。エンジンを停止させることで燃費を向上させます。また、アイドリング中に発生する排気ガスの排出量を抑えることも目的としています。
アイドリングストップの仕組み
アイドリングストップは、燃料が節約できる機能と何となく分かっていても、仕組みまではよく知らないという方が多いのではないでしょうか。そこでアイドリングストップの仕組みを紹介します。
アイドリングストップは、信号待ちなどで一時停車した時に、ブレーキペダルを踏んでいる間は、自動でエンジンを停止させます。ブレーキペダルを離すことで、自動的にエンジンは再始動し、そのまま車が動き出します。
このようにアイドリングストップは、エンジンの停止と再始動を自動的に行う仕組みになっていますが、具体的な作動条件もあります。メーカーや車種によっても異なりますが、一般的にはハンドルを操作していない、またアクセルペダルがオフの状態などがあります。その他にもバッテリーの充電量が十分にあるかなど、様々な作動条件があります。
アイドリングストップが作動しない時の原因
アイドリングストップが作動しない時の原因は、車の判断による場合と車の故障が疑われる場合があります。車の判断による場合は、主に以下の理由があります。
エンジンが十分に暖まっていない時
アイドリングストップ機能が作動するのは、車のエンジンが十分に暖まった状態で、一定の速度で走行中、ブレーキペダルを踏んで停車した場合です。エンジンが十分に暖まっていない時、また時速20㎞以下での走行時には作動しないこともあります。
エアコンの設定温度と室内温度の差が大きい時
アイドリングストップ中のエアコンは、冷房や暖房から送風に切り替わる仕組みになっています。通常は自動的に送風に切り替わり、アイドリングストップが作動します。しかし、エアコンの設定温度と室内温度の差があまりに大きい場合は、アイドリングストップが作動せずにエアコンが稼働し続けることがあります。
またエアコンを使用中にアイドリングストップが作動して送風になるのを避けたい時は、アイドリングストップ機能の解除ボタンを押して、アイドリングストップを作動させないことも出来ます。
ブレーキペダルがしっかり踏み込まれていない時
アイドリングストップ機能は、ブレーキペダルを踏むことで作動し、ブレーキペダルを踏んでいる間はエンジンが停止したままの状態になります。しかしブレーキペダルの踏み込みが浅いと、アイドリングストップが作動しないことがあります。その時は、ブレーキペダルを強く踏み込みましょう。
ハンドルに触っている時
アイドリングストップ中でも、ハンドルに力を加えるとエンジンが再始動します。これは交差点や合流地点などで、早めに発進準備を行うためです。何気なくハンドルを触っているだけで、アイドリングストップが作動しないということも考えられます。
急な坂道を走行中の時
緩やかな坂道であれば、アイドリングストップは作動します。しかし、急な坂道の場合は危険な為、アイドリングストップが作動しない仕組みになっています。
車の故障が疑われる場合は、以下のことが考えられます。気になる時は、整備工場などで早めの点検をお勧めします。
バッテリーの寿命
多くのアイドリングストップ搭載車は、バッテリーの充電量が一定以上でないとアイドリングストップが作動しない仕組みになっています。アイドリングストップ搭載車のバッテリーを交換する目安は、2~3年となります。
定期的にバッテリー交換を行っていない場合は、バッテリーの充電残量が少なく、アイドリングストップが正常に作動しない可能性があります。また車のメーターにあるアイドリングストップランプが点滅した時は、バッテリーの劣化が原因のケースが多いです。
センサーの不良
アイドリングストップ機能は、センサーにより、いろいろな情報を把握し、アイドリングストップを行うかを判断しています。そのセンサー自体に不具合が生じた場合は、正常に機能することが出来ません。
アイドリングストップのメリット
1.燃費が良くなる・燃料費の節約ができる
アイドリングストップの最も大きなメリットは、燃費が良くなることです。停車中でもエンジンがかかっている状態であれば、燃料は消費されます。しかしアイドリングストップにより、エンジンがストップされると、燃料の消費を抑えることが出来ます。したがってアイドリングストップは、燃料費の節約に繋がります。
2.排出ガスが削減できる
排出ガスが削減できるのも、アイドリングストップの大きなメリットと言えるでしょう。環境省によると、東京都に登録されているすべての車が毎日10分間アイドリング時間を減らすことで、年間で約13万トンの二酸化炭素排出量を減らすことが出来るという試算が出ています。
これは5万人の1年間の二酸化炭素排出量とほぼ同量となります。したがってアイドリングストップは、地球温暖化対策として非常に有効な手段の1つと言えます。また年間で、ドラム缶約100万本分と同等の燃料を節約出来るというデータもあります。
3.停車中のエンジン音を少なくすことができる
車のエンジン音は、意外と気になるものです。道路付近の住民にとっては、騒音となるケースもあります。実際、車のアイドリングは、洗濯機や掃除機と同等の大きさの音になるようです。アイドリングストップでエンジンが停止することで、停車中のエンジン音を少なくすることが可能です。
アイドリングストップのデメリット
メリットしかないように思えるアイドリングストップですが、デメリットもあるようです。アイドリングストップのデメリットについて紹介します。
1.専用のバッテリーが必要
アイドリング搭載車には、専用のバッテリーが必要となります。さらに高耐久バッテリーとなる為、通常のバッテリーより価格が高くなります。
2.バッテリーの消耗を早める
アイドリングストップ車は、エンジンの停止と始動を頻繁に繰り返す為、バッテリーへの負荷が大きくなります。したがって、アイドリングストップ搭載車のバッテリー交換の目安は、2~3年となります。
3.エアコンが停止する
アイドリングストップでエンジンが停止すると、エアコンが使えなくなってしまいます。エアコンの吹き出し口は、自動的に送風となります。
4.発進時のタイミングが多少遅れることがある
例えば、赤信号でアイドリングストップが作動した状態で停車した直後に、青信号に変わってしまったとします。このような一瞬の停止時は、エンジンの再始動が遅れてしまうことがあります。
アイドリングストップの効果が発揮できる時
停止している時間が長く続く都市部の信号待ちなどでは、アイドリングストップの効果が発揮できます。停止している時間が長いほど、無駄なアイドリング時間を減らし、燃料の消費や排気ガスの量を抑えることができます。またアイドリングストップが作動中は、エンジン音が出なくなる為、住宅街での騒音対策にも効果を発揮します。
アイドリングストップの解除方法とは?
アイドリングストップは状況に応じて、ご自身で解除することも可能です。一般的には運転席周りに、アイドリングストップのオフスイッチが装備されています。このスイッチを押すことにより、アイドリングストップが解除された状態となります。
なお、一度エンジンを切ってしまうと解除がリセットされ、アイドリングストップ機能が再び作動するようになります。したがって、常にアイドリングストップを解除しておきたい方は、車に乗るたびにオフスイッチを押す必要が出てきます。
アイドリングストップを解除することにより、発進時の多少の遅れやエアコンの送風状態などのデメリットが解消されます。ご自身の状況に応じて、使い分けるようにしましょう。
まとめ
アイドリングストップは、車の停車時にエンジンが自動で停止する機能となります。燃料の節約や排出ガスの削減、騒音対策にも繋がり、環境に配慮された機能となっています。バッテリー金額が高くなるなどのデメリットはありますが、上手に機能を活用して、環境に配慮した運転を心掛けましょう。
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