車のトラブルで1番多いのが、バッテリー上がりです。大手ロードサービスのJAFの出動件数でも、バッテリー上がりが全体の40%以上を占めています。(注1)
バッテリー上がりが原因で、ある日突然、車が動かなくなって困ったという経験をされた方も多いのではないでしょうか?
実はバッテリー上がりは、正しい対処法を知っておくことで、困らずに対応をすることも可能です。
そこで今回の記事では、バッテリー上がりの対処法や原因について解説します。万が一の際は、参考にしてみて下さい。
この記事のポイント
- エンジンがかからなくて、電装品も使えない場合は、バッテリー上がりの可能性が高い
- バッテリー上がりの対処法は、「ロードサービス」、「ジャンピングスタート」、「カーバッテリー用の充電器」の3種類
- バッテリー上がりの原因は、「過剰な放電」と「バッテリーの劣化」
バッテリー上がりの症状とは
バッテリー上がりになると、以下のような症状が出ます。
- エンジンがかからない
- 車の電装品が使えない
それぞれ詳しく解説します。
エンジンがかからない
バッテリー上がりを疑う際に、最も多い症状はエンジンがかからないです。
車のキーでエンジンを始動させる際に、セルモーター(エンジンを始動させる為のモーター)が回らない、またはセルモーターを回してもカチカチと音がする場合はバッテリー上がりの可能性が高いです。
ただし、必ずしも「エンジンがかからない=バッテリー上がり」という事ではありません。エンジンがかからない理由には、ギアの位置がパーキングになっていない、あるいはブレーキペダルを踏んでいないなどの原因も考えられるからです。
「エンジンがかからない=バッテリー上がり」と考えるだけではなく、正しい方法でエンジン始動が出来ているかも確認をする必要があります。
またセルモーターが故障していて、エンジン始動が出来ないケースもあります。
車の電装品が使えない
バッテリーは、ライトやパワーウィンドウなど車の電装品へ電気を供給する役割もあります。その為、エンジンがかからない状態で電装品が使えるとバッテリー上がりでない可能性も出てきます。
通常キーがあれば、車のエンジンをかけなくても、ライトやパワーウィンドウなどの電装品が動かせるはずです。もしエンジンもかからなくて、電装品も使えないとなるとバッテリー上がりの可能性が高くなります。
バッテリー上がりの対処法
バッテリー上がりの際は、主な対処法が3つあります。
- ロードサービスを手配する
車の故障やトラブルの際に駆けつけてくれる、ロードサービスを手配する方法です。ロードサービスの会社に直接連絡をして手配する方法、または保険会社を経由して依頼する方法などがあります。自動車保険はロードサービスが付帯されている場合がほとんどなので、保険を利用して無料で対応してくれるケースが一般的です。もし有料でロードサービスを手配する場合は、1万円前後の費用が発生します。 - ジャンピングスタートを行う
ジャンピングスタートとは、バッテリー以外のところから車に電気を供給してエンジンをかける方法です。ジャンピングスタートは、救援車(他の車)から電気を分けてもらう、またはジャンプスターター(バッテリーに電気を供給する機械)を使う2種類の方法があります。それぞれの具体的な手順は後ほど解説します。 - カーバッテリー用の充電器を使う
カーバッテリー用の充電器を使い、上がったバッテリーの充電を行う方法です。専用の充電器は、カー用品店などで1万円前後の金額で購入が出来て、初心者でも操作が簡単です。ただし充電までに時間が必要となり、また1度上がってしまったバッテリーは充電しても元の性能に戻らない可能性が高いです。
ジャンピングスタートの方法
救援車を使ったジャンピングスタートの方法について解説します。準備する物と手順についてそれぞれ紹介します。
ジャンピングスタートで準備する物
- 救援車(他の車)
- ブースターケーブル
電気を分けてもらう救援車は、バッテリー上がりの故障車と同じ電圧の車である必要があります。
一般的には、普通乗用車が12V、大型車(トラックなど)が24Vであることが多いです。もしバッテリー上がりの故障車と救援車の電圧が違うと、故障のおそれがあるからです。
またハイブリッド車や電気自動車は、バッテリーの仕組みが違う為、救援車とすることは出来ません。救援車にする車は、よく確認をする必要があります。
ブースターケーブルは、故障車と救援車のバッテリーを繋ぐケーブルです。カー用品店などで、3,000円前後で購入が出来るので、救援車が用意できる状況だとジャンプスターターより安価に済みます。
ブースターケーブルを使用する時は、ケーブルが断線していないかなど点検をしてから使用する必要があります。ブースターケーブルに異常が見受けられる場合は、そのまま使用すると事故の原因になる恐れがある為、よく確認をすることが大切です。
ジャンピングスタートの手順
- 故障車と救援車を近づけてエンジンを止め、ボンネットを開ける
- 故障車と救援車の電源がOFFになっているかを確認する
- 故障車と救援車のバッテリー端子をブースターケーブルで繋ぐ
- ケーブルを繋ぐ場所は車種によって異なるので説明書でよく確認をする(特に繋ぐ順番は重要)
- 救援車のエンジンを始動する
- 5分ほど充電をしてから、故障車のエンジンを始動する
- 繋いだ時と逆の順番でケーブルを外す
- しばらく走行してバッテリーを充電する
無事にエンジンがかかれば、ジャンピングスタートは成功です。エンジン始動後に、すぐにエンジンを止めてしまうと再度バッテリーが上がってしまう恐れがあります。30分~1時間程度走行して、バッテリーに充電をすることが大切です。
またジャンピングスタートは、一時的な応急処置に過ぎないので、なるべく早く整備工場でプロのメカニックに点検をしてもらいましょう。
ジャンプスターターの使い方
ジャンプスターターは車のバッテリーに電気を供給して、エンジンをかける為の機械です。
カー用品店などで1万円前後の金額で販売されています。事前に充電をしておくことで、バッテリー上がりの際のジャンピングスタートに使用出来ます。
ジャンプスターターは、以下の手順で使用します。
ジャンプスターターの使用手順
- ジャンプスターターのバッテリー残量を確認する
- 車の電源がOFFになっているのを確認する
- ブースターケーブルを車のバッテリー端子に繋ぐ
- ジャンプスターターの電源を入れて、数分間放置する
- 車のエンジンを始動する
- ケーブルを外し、しばらく走行してバッテリーを充電する
ジャンプスターターでエンジンを始動した後も、車を30分~1時間は走行させてバッテリーを充電する必要があります。こちらも同じく応急処置となる為、早めにプロの整備士に点検をしてもらうのが大切です。
バッテリー上がりの原因
バッテリー上がりの主な原因は、「過剰な放電」と「バッテリーの劣化」です。それぞれ解説します。
過剰な放電
バッテリー上がりが起こる原因は、「使われる電気の量」が「バッテリーに蓄えられた電気の量」を上回るからです。
車はエンジンの動力を使い、オルタネーター(発電機)を動かして発電をしています。そこで作られた電気が、バッテリーに充電されて、車のヘッドライトやエアコンなどの電装品を動かすのに使用されます。
この発電した電気を電装品などで過剰に使用してしまうことで、バッテリー上がりは起こります。電気を使いすぎてしまう、主な具体例を紹介します。
- 半ドアのままでルームランプがつけっぱなし
- ヘッドライトがついたまま
- エアコンの使い過ぎ
- エンジンキーをオフにしていない
- 長期間車を使用していない
などです。このような状況では、バッテリー上がりが起こる可能性が高いです。いずれにせよライトの消し忘れに注意して、車をよく動かすことでバッテリー上がりのリスクは軽減出来ます。
バッテリーの劣化
電気の使い過ぎ以外に、バッテリーが劣化して性能が低下することでバッテリー上がりが引き起こされるケースもあります。
バッテリーは消耗部品の為、年数が経つにつれ徐々に劣化していきます。バッテリーは劣化していくと、電力を維持する能力が落ちてくるので、いくら発電して充電をされても電力の消費が激しくなります。
使用頻度や種類により変わりますが、メーカーでは3年~4年を目安にバッテリー交換を推奨しているので、定期的に交換をすることでバッテリー上がり防止に繋がります。
バッテリーの寿命を判断するには、整備工場などで専用の診断機を使用して、バッテリーの点検をしてくれるので、気になる方は近くの整備工場へ依頼をしてみましょう。
バッテリー上がりの前兆
バッテリー上がりは、ある日突然、起こるケースが多いですが、前兆で未然に防止できる場合もあります。以下のような症状がある場合は、早めに対処しましょう。
- エンジンのかかりが悪くなった
- パワーウィンドウの動きが悪い
- ライトが暗く感じる
- アイドリングストップランプが点滅している
- 前回のバッテリー交換から3年以上が経過している
などです。全てがバッテリー上がりの前兆として起こるわけではないですが、いずれの症状が出るとバッテリーの寿命が近く、上がるリスクが高い状態です。
車で普段と違う異変を感じる時は、迷わず近くの整備工場へ相談をすることが大切です。
まとめ
バッテリー上がりは、正しい対処方法を知っておくことで、万が一の際も落ち着いて対処することが出来ます。
また原因を把握することで、バッテリー上がりを引き起こしやすいミスに注意出来て、トラブルを未然に防止することも可能です。日頃から車のメンテナンスを定期的にして、バッテリー上がりを防ぎ、快適なカーライフを送りましょう。
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