突然、車のエンジンがかからなくなり、慌てた経験のある方も多いのではないでしょうか。車のエンジンがかからなくなる原因として、多くの人が第一に考えるのは「故障」だと思います。しかし実際には、些細な操作ミスやその場で対処できるトラブルが原因となっているケースも多々あります。
そのトラブル例を知っておけば、いざエンジンがかからない状態になっても慌てずに対処できるようになるでしょう。ここでは、よくありがちなエンジン始動トラブルの原因と対処法をまとめてみます。
この記事のポイント
- 車のエンジンがかからない主な原因は、操作ミスやバッテリー上がりなどがある
- 落ち着いて対処することが大切。正しい操作が出来ているか、またバッテリー上がりの対処法を試してみる
- 自分では対処できない場合は、整備工場や保険会社へ連絡をして、ロードサービスで対応する
車のエンジンがかからない時の代表的な原因
車のエンジンが始動できない時は、まずは落ち着いてエンジンの始動手順や車の状態を確認しましょう。正しい手順で操作することで、すぐに解決できたり、必要な対処を見極めたり出来るようになります。
シフトがP(パーキング)に入っていない
シフトポジションを確認し、Pレンジ(パーキング)もしくはNレンジ(ニュートラル)に入っているかどうか確かめましょう。AT(オートマチック)車は、エンジン始動時の誤発進を防ぐため、PレンジもしくはNレンジにシフトレバーが入っていなければエンジン始動が出来ないようになっています。
ブレーキペダルを踏んでいない
エンジン始動時に、ブレーキをしっかり踏んでいるか確認しましょう。AT(オートマチック)車は、シフトポジションと同じく誤発進を防ぐために、ブレーキペダルを踏んでいないとエンジンが始動できません。
またMT(マニュアル)車のなかには、クラッチペダルを踏み込まなければエンジンが始動できない車がありますが、いずれのケースもペダルの踏み込みが浅いことでエンジンがかからない可能性が考えられます。エンジン始動時には、ブレーキペダルやクラッチペダルをしっかりと奥まで踏み込む癖をつけましょう。
ハンドルロックがかかっている
ハンドルロックがかかった状態でも、エンジンは始動できないようになっています。ハンドルロックとは盗難を防ぐための装置であり、始動キーがない状態でハンドルを動かそうとすると、ハンドルが固定され操作ができなくなる機能です。
ハンドルロックを解除するには、キーシリンダー車・プッシュスタート車ともに、ハンドルを左右どちらかに軽く操作しながらエンジンを始動します。気づかぬうちに自分でハンドルを操作してロックしてしまうこともありますが、解除方法を知っていれば問題ありません。
ただしキーシリンダー車は、無理にキーを回すことによってキーが折れてしまう可能性があるので、力の入れすぎに注意しましょう。
ガソリンがなくなっている
ガソリンや軽油などの燃料が空になっていれば、当然エンジンはかかりません。その場合は燃料を補給すればエンジンは始動します。ガス欠を起こさない為には、早めの給油を心がけること、また自分の車がどのくらいの燃費性能であるかを把握しておくことが大切です。
ただし古いディーゼルエンジンの場合は、燃料が空になり空気が入ることでエンジンが始動できなくなる場合があります。その場合はプライミングポンプ(エア抜きをするポンプ)を操作して、燃料ホース内の空気を抜く必要があります。
プライミングポンプの位置や操作方法は車によって異なるため、取扱説明書を確認しておきましょう。なお、燃料切れ対策がされた比較的新しいディーゼルエンジンでは、軽油を補給するだけで始動できる場合もあります。
電子キーの電池が切れている
スマートキーやインテリジェントキーなどの電池が切れたことによるエンジン始動トラブルは、電子キーが普及した近年になって多発しています。電池が切れた状態でも多くの車は、電子キーをエンジンスタートスイッチに触れるくらいの距離まで近づけることで電子キーが認識されるので、その状態でスイッチを押せばエンジンが始動できます。
電子キーの電池の寿命は1~2年とされていますが、磁気を発する家電製品などの近くに置くと消耗が激しくなります。1年を過ぎたら電池交換をしておくと安心です。なお、電池切れの状態でのエンジン始動方法は車種やメーカーによって異なるため、事前に取扱説明書を確認しておきましょう。
バッテリーが上がっている
バッテリーに蓄えられた電気が不足し、エンジンを始動するためのセルモーターを十分に使えてない状態を「バッテリー上がり」と言います。バッテリー上がりを起こした場合は、救援車からブースターケーブルを繋ぐか、エンジンが始動できる電力を蓄えたジャンプスターターがなければ、エンジンの始動は出来ません。
バッテリー上がりの原因には、長期間の放置による自然放電やヘッドライト・ルームランプなど電装品の消し忘れが挙げられます。車を離れる際は、電装品が作動していないかチェックする癖をつけましょう。
バッテリーが寿命を迎えている
寿命を迎えたバッテリーは、十分な電力を蓄えておくことが出来ないため、セルモーターを駆動することが出来ず、突如としてエンジンが始動できなくなることがあります。その状態では、たとえエンジンが始動したとしても再びバッテリーが上がってしまう可能性が高いです。このような場合は、速やかに新しいバッテリーへ交換しましょう。
自動車用として一般的な鉛畜電式バッテリーの寿命は2~4年ですが、車の使い方によっても寿命は大きく変動する為、大事をとって3年を超えたら交換するようにしましょう。
バッテリー以外の部品トラブル
車はバッテリー以外にも多くの部品があります。ガス欠やバッテリートラブルの可能性が低い場合は、その他の部品が故障している可能性も考慮してください。
- セルモーターの故障
セルモーターとは、エンジンを始動する際に使われるモーターです。そのためセルモーター自体が故障しているとエンジンを動かすことは出来ません。 - オルタネーターの故障
オルタネーターとは、車の中でも「発電機」の役割を果たす部品です。バッテリーに蓄えられる電気もオルタネーターから生み出されます。オルタネーターが故障すると、走行に必要な電気を作り出せなくなってしまう為、エンジンがかからなくなってしまいます。 - エンジンの故障
車のエンジン自体が故障してしまうと、当然ながらエンジンはかかりません。エンジンが故障する理由として多いものは「エンジンオイル切れ」、冷却水の不足による「オーバーヒート(エンジンの焼き付き)」などがあります。他にも、エンジンに燃料を供給する部品の劣化やスパークプラグ(点火装置)の劣化などが原因になるパターンもあります。 - 電気系統のトラブル
何らかの原因で車内の電気系統に過剰な電流が流れると、部品を守るためにヒューズと呼ばれる装置が働きます。ヒューズは断線することで部品の身代わりとなり、過剰な電流から車を守るのです。このヒューズの断線が起こると電装品が動かなくなる、またエンジンがかからなくなる場合があります。 - プラグかぶり
車は、霧状にした燃料に、プラグで火花を飛ばして発火させることで動いています。このプラグの発火部分が、燃料が濃くなるなどの原因で濡れてしまい、発火することが出来なくなることを、プラグかぶりと呼びます。エンジンがかからない時は、このプラグかぶりが原因となることもあります。
車のエンジンがかからない・かかりにくくなった場合の対処法
エンジンがかからない原因が、人為的ミス(ガス欠や操作ミス)だった場合、正しい操作でエンジンをかければトラブルを解決できる可能性が高いです。ただし、人為的なミスが原因でない時は、車のどの部分に異常があるのか確認をする必要があります。その手順を紹介します。
人為的なミスがないか確認する
- エンジンのかけ方を間違っていないか
- 燃料(ガソリン)は足りているか
- ギアはパーキングに入っているか
※車種によってはP(パーキング)レンジとブレーキを踏まないとエンジンスタートしないものもあります。 - ハンドルロックされていないか
エンジンがかからない原因が、これらの人為的ミスであれば、それぞれ正しい操作を行うことで対処できます。
エンジンキーを挿して状態を確認する
人為的なミスが原因でないなら、車のどの機能に異常があるのかキーを挿して状態をチェックしましょう。エンジンキーを挿して、ACCまたはONの位置まで回します。
このとき、ライトが点灯し、パワーウィンドウが動くのであれば、バッテリー以外に原因があると考えられます。逆に、ライトやパワーウィンドウが動かない場合は、バッテリートラブルが原因となっている可能性があります。
エンジンキーが回るか2~3回試す
そのままエンジンキーを回して、モーター音がするか確認しましょう。モーター音がしない場合、バッテリー上がりかセルモーターの故障が原因と考えられます。
モーター音はするもののエンジンがかからないのであれば、バッテリー以外の部品が故障している可能性があります。また気温が低い場合は、寒さが原因である可能性もあります。
バッテリー上がりの対処法を試す
上記の手順でバッテリー上がりの可能性が高いと思われる場合は、バッテリーが上がった際の対処法を試しましょう。
他の車から電力供給してもらうジャンピングスタートやバッテリーを充電するジャンプスターター・カー用バッテリーを使う方法などがあります。これらの方法でエンジンを始動できないか試みてください。
無事にエンジンを始動できたら、速やかに最寄りの自動車整備工場やディーラーへ向かいましょう。
それでも車のエンジンがかからない時は?
「エンジンがかからない・かかりにくくなった場合の対処法」を試してもエンジンがかからない場合は、自力で対処することが難しい状況である可能性が高く、専門業者などに連絡をして助けを借りる必要があります。エンジンがかからないときの連絡先としては、主に次の業者が挙げられます。
ロードサービスや自動車整備工場
自力でのエンジン始動が難しい場合、専門的な知識が必要となります。ロードサービスや近隣の自動車ディーラー、自動車整備工場などに連絡してプロの力を借りましょう。
加入している任意保険のサービス窓口
自動車保険に加入している場合は、付帯のロードサービスによって無料またはお得な料金で対応してもらえるケースもあります。加入している自動車保険の付帯サービスを確認してみましょう。なお、サービスの保証対象は契約している車両のみとなる点にはご注意ください。
最寄りのガソリンスタンド
近くにガソリンスタンドがある場合、そこに車を持ち込むことで、バッテリーの交換や充電をしてもらうことが出来ます。出張サービスに対応しているガソリンスタンドもあるので、車が動かせない時は、その場所まで来てもらえる可能性もあります。
車のエンジントラブルに備えて準備しておきたいこと
車のエンジンが突然かからなくなってしまう事態は、できる限り避けたいものです。また、万が一トラブルに遭った時もスムーズに解決できるよう、事前に対策を講じておくことも大切です。日頃から出来るエンジントラブルへの対策を確認しておきましょう。
定期的はメンテナンスを欠かさない
トラブルを避ける為には、エンジンオイル交換やバッテリー電圧のチェックなどのメンテナンスを定期的に実施しましょう。特にエンジンルームは、整備工場などで定期的にチェックをしておきたいところです。車によっては、たった1本のホースが外れてエンジンが始動できない場合があります。
また、セルモーターの音やアクセルを踏み込んだ際の加速感などをある程度覚えておけば、調子が悪くなった時にいち早く異常を察知できます。早期にトラブルを発見することで、エンジン始動トラブルが起こるのを未然に回避できるようにしておきましょう。
ブースターケーブルやジャンプスターターを用意しておく
ブースターケーブルがあれば、バッテリー上がりを起こした時に、周りの車に救援してもらうことが出来ます。救援側がケーブルを持っていない可能性があるため、普段から車に載せておくと安心です。また、小型バッテリー充電器のジャンプスターターは、バッテリー上がりを起こした時に自力で対処できるため心強い備えとなるでしょう。
ロードサービスを契約しておく
JAFや自動車保険のロードサービスに加入しておくと、エンジントラブルなどで走行が出来なくなってしまった時にサポートを受けられます。状態チェックから修理作業、レッカー作業まで行ってくれるので、万が一のときの為に加入しておくと安心です。
また、すぐに利用できるロードサービスとその連絡先をリストアップしておけば、トラブル時もスムーズに救援依頼が出来るようになります。
まとめ
車のエンジンがかからなくなった時に、まず大切なのは「知識」よりも「落ち着くこと」です。慌てることなく、エンジンの始動手順や車の状態を落ち着いて確認しましょう。ここで挙げているようなトラブル例と対処法を知っておけば、自分で解決できるか、またロードサービスを呼ぶ必要があるのか、最善の解決方法をきっと導き出せるはずです。
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